もらうと嬉しい株主優待!でも本当に「お得」か?
投資を始めると気になる「株主優待」。タダで何かもらえるなら嬉しいですよね。
実際に投資をしていても、株の値上がりや配当はスマホ上の数字が変わるだけですが、優待はものが届いたり配当計算書等に同梱されていたりで実物が届くので「お得感」があります。
今回は成長株投資と少額優待投資の両方をしている私が考える、「株主優待は本当にお得なのか?」を少しユニークな視点から解説したいと思います。
自分の会社のサービス
株主優待が「強い」のは、自社のサービスや商品等を利用しており消費者が購入するよりも安く提供できるからという一面があります。(QUOカード、地銀等の地方特産品などこれに当てはまらないと思われるものもあります)
これは少額で高額な優待を実施している企業で顕著です。赤字でも優待利回り50%を超えるような優待を実施出来るのは自社のサービス券(割引券)だったり、自社製品の提供だからと言えます。
サービス券なら刷るだけ(アプリを用意するだけ)で用意でき、株主に自社サービスを使ってもらえるし、もしかすると日常使いのリピーターになるかも知れません。(株主からサービス利用を広げたいという事を公言している企業もあります)
自社製品であれば原価は当然安いですし、滞留した在庫を処分することも可能かもしれません。
新商品を優待として配布する企業も面白いです。企業側も狙いがあってやっているのですが、そのブランドが好きなら優待で新しい商品を試せるというのは株主冥利に尽きるというものです。まさにwin-winで素晴らしいですね。
株価対策
優待は株価対策として使われることがあります。
優待利回りが高い、株主優待が人気の企業は優待を廃止すると株価の大幅な下落に見舞われる事が多いです。
かつての人気優待銘柄、オリックスほど経営成績が良く配当等別の形での株主還元が可能ならその後株価は回復しますが、MRKホールディングスなど株価が長期低迷する事も十分にあり得ます。
このように株主優待にも廃止や改悪というリスクがある訳ですが、逆に言うと業績がイマイチな企業は株主にとって魅力的な優待を意識して維持しているとも推測できるのです。
恒常的に赤字の企業は、新株の発行などで生き永らえている事があります。
この新株発行時に株価が下がっていると調達できる資金も減りますから、(優待にかかる費用があまりに巨額でないか、存続できるのか等注視は必要ですが)敢えて過度に魅力的な優待にせざるを得ないケースがあると考えると優待にお得感があるのは当然とも言えるのです。
使わない
結構ありがちじゃないか?と思うのが、もらうだけもらって使わないパターン。私は今回ちょこザップ割引の権利を取りましたが、使わないで捨ててしまいました。
いくら高い優待利回りの優待をもらっても使わなければ0円分です。これは、何もしなくてもお金がもらえる配当とは違うところですね。
食品等が届くパターンはともかく、特に割引系は優待を使うのが目的化していないかも気になるところです。(優待をきっかけにサービスを利用するのはもちろん良いと思います)
QUOカード系も実物がもらえる場合は無くさないように気をつけるくらいですが、QUOカードペイ等の場合は登録を忘れないように気をつける必要もあります。
株価の成長
配当も優待も素晴らしいですが、株式投資の一番の醍醐味と言えばやはり株価の値上がり(キャピタルゲイン)でしょう。
配当を投資の中心に据える場合もあります(インカムゲイン)が、配当の原資は企業の利益であり、利益が上がると株価は長期的には上がっていきます。利益が出ないと配当も長くは続きませんから、株価の成長は配当を重視する投資とも表裏一体です。
少し毛色が違うのが優待投資です。例えば、レストランの20%割引券をイメージしてもらうと良いと思いますが、この類いの優待はいくら売上や利益が減ろうが出し続けることが出来ます。
優待を出すにも経費はかかりますから優待投資と経営成績は無関係ではないものの、ある程度切り離して考える事が出来てしまうのです。
優待投資をする時はここに注意が必要です。優待利回りで見ていくと企業の経営成績については考えにくくなる場合があります。
優待が良くても株価の成長を捨ててしまうと「お得」ではなくなってしまうかも知れません。
ただ個人的には優待だけを目的にするというのも、それはそれでアリだと思っています。何を得たいのかを明確にする事が大切です。
まとめ
優待についていくつか私見を述べてみましたが、いかがでしたでしょうか。
株価対策の項で少し触れましたが、優待投資には廃止や改悪のリスクが付きまといますし、使わなかったり(活かせなかったり)、株価の成長について考えづらくなる事もあり得ます。
さらに言うと株主優待というと何株持つのが得なのか、という話も出てくるように株主間の公平の観点から疑問視される制度でもあったりします。
しかし、会社のサービスを株主が使う事をマーケティング戦略の一つと位置付けていたり、株主を消費者として取り込もうとしている等、非常に興味深く奥深い世界です。
私としては優待は気を付けるべきことはあるが、ある種「数字中心の殺伐とした世界に咲く一輪の花」とでも言いますか、とても楽しいものだと捉えています。
優待投資は「投資」であると同時に「消費」です。普段なら買わない商品を試したり、行かない店に足を運んだりするきっかけになる等自分の世界を広げる機会にもなり得ます。
優待投資は自分に合うなと感じたら、リスクはリスクとして正面から受け止めつつ、優待ライフを体験してみて下さい。